SSブログ

第11回星を読む会(福井読書会) [読書会]

星を読む会の第11回目は平成27年7月29日(水)午後7時ちょっと過ぎに開催しました。
場所は福井市大願寺にある山口伊三郎家具内のカフェ ラササヤン。

4人で集まり、又吉直樹著「火花」について感想を語り合いました。
と言っても、主催の自分が「火花」を手に入れられず聞き役に徹するという体たらく。
今回はお三方の感想や評価をまとめるだけと相成りました。

芥川賞受賞作として名高い作品で、前回の会の課題図書だった「蹴りたい背中」との比較も軽く交わされる中、評価として分かれる本
だったようです。

荒削りと紹介された文体は、前半部分は太宰治のような切らない長文で、後半は筆が乗ってきたのかテンポが良くなってきた、との評。

青春スポ?根小説として捉えおもしろく読めたという感想や主人公と先輩芸人二人のやりとりで「おもしろい」と思った部分がなく売れない「売れない芸人」を表したかったのか、という疑問が残るという感想まで幅広く意見が聞かれました。

又吉直樹が書きたかったのは、二人の間でしかわからない「なにか」だったでは、ってのが多く聞かれた感想だったのではないでしょうか。

今回の読書会で得た感想を元に、しっかりと「火花」を読んでみたいと思います。


次回は、大型連休前の9月16日(水)に行います。
本は、福井県出身の作家 九頭竜正志著「さとり世代探偵のゆるやかな日常」(新潮文庫nex)です。


nice!(0)  コメント(1) 

第9回福井読書会(H27/3/25) [読書会]

平成27年3月25日(水) 7:00から
ラササヤンにて開催。

課題図書は、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」。

重厚なカワイ氏の宣言で幕は開く。「この本を選んだのは‥」
本の選定を頼まれて単純に好きだったから選んだが、今回、会の開催にあわせて久々に読んでやっぱり泣けた。好きな本を皆さんがどうさばくのか大変興味があります。


過去に本を読んだノサカ氏から感想を述べよ、と主は言う。「あれは二十歳の事でした‥」
児童文学と意識して読んだ記憶がある。擬態語、擬音語が頭に直接飛び込んできた。リズム感がすばらしく一人で朗読をしたこともある。音の感覚や情景、特に金剛石や水晶の描写がすばらしい。
声に出して読みたい絵本のような文章だと思う。声に出すと読書はみんなの共有になる、という言葉を思い出す。


次はヤスギ氏の番だった。「じっくり読んだのは初めてかもしれません‥」
「銀河鉄道の夜」は研究されて尽くされた感のある小説と聞いており、今回は読んだ感想だけを述べようと思っていた。作者が何度も手を入れていて、4つの版で文章が違うようだが、まだ読んでいない版も読んでみたいと強く思った。


クロダ氏が語りだす。「今まで私がしてきた会話の中で何億語を使ったかは分からないが‥」会話が唐突な感じがして、描写が思いつかない部分がある。宮沢賢治の見ていた風景を自分も見てみたいと感じる。何者にも捕らわれていない文章がとてもよい。博士が出てくる版の方が好き。「鉄道に乗る」の意味をどうとらえるかで、分かれる部分。


そして、会話は再びカワイ氏に戻る。「子供の時にこの本を読んだきっかけは‥」
実は、『銀河鉄道999』が好きだったので読んだ。似てたような似てないような。
宮沢賢治が自分が感じたまま見たままを素直に書いたものが、燈台守の言葉「なにがしあわせかわからないです。」に集約されているように感じる。想像だけでなく「見えて」いたように感じる。
悪い人として書かれているザネリを助けてカムパネルラが溺れるのは聖者の行いであり、象徴として書かれているようだ。
生者の中にありながら幽霊のような存在として過ごしているジョバンニが、死者の列車に乗ることで成長する物語ととらえた。



そして、一人ひとりの告白が始まる。
「私はこう思うのです‥」
カムパネルラを独り占めしようとするジョバンニ。
カムパネルラがジョバンニのことを好きすぎてジョバンニの夢に出たとすると、源氏物語を思わせる描写にも感じる。
もっと清い二人は天より先に行ったが、輪廻転生をにおわせる書き方も。
「ジョバンニのお父さんが帰ってくる」ことは、キリスト教にあるキリスト再臨にかかってもいる。お父さんが嘘の罪を着せさせられる、海獺の皮などもキリスト教をモチーフにかかれたように思う。
などなど、内容の濃い意見交換となりました。

「すべてが自分の思い通りにはいかない」ことを知る成長の物語かな?
もしくはBL?


ホンヲシル
・ノサカさんからの紹介
三浦しをん「格闘する者に○(まる)」新潮文庫
 笑いがおもしろい。パロディーを求めない、読ませるタイプのコメディ。

・ヤスギの今読んでいる本
京極夏彦「後巷説百物語」角川文庫
とりあえずおもしろい。百物語のシリーズでは3冊目となるが、文体、書き方、構成すべてが本好きにはたまらない。

・クロダさんからのおすすめ
サン=テグジュベリ「星の王子さま」新潮文庫
「銀河鉄道の夜」からのチョイス。宗教とメディアの話につながる作品。
作者が敬虔なクリスチャンであることから、聖書との類似点も魅力。


・カワイさんからの今日の一品
村上龍「イン ザ・ミソスープ」読売新聞社
「ケンジ」つながりの一冊。
日本の道理が通じない外国人が現れたときに、日本人はどう対処するか、を書きたかったのではないかと思わずにはいられない一冊。主人公のケンジが地獄の三日間を通して成長するのが、「銀河鉄道の夜」に通じる?
ちょっとグロい描写が難点なれど、自分の糧になった一冊。

好評のうちに幕を閉じた9回目。
そして次回、読書回第10回記念大会!
課題図書は、綿矢りさ「蹴りたい背中」!
平成27年5月27日(水)!
括目して待て!!
nice!(0)  コメント(0) 

第9回福井読書会のご案内 [読書会]

第9回読書会のご案内をさせていただきます。

平成27年3月25日(水)、午後7時から9時までの予定です。
会場はご厚意で、CafeラササヤンLa136店をお借りすることができました。
(福井市大願寺2ー8ー8)

課題図書は、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」。
名作中の名作、イーハトーブ物語の傑作を読んでみなさんで感想を語り合いたいと思います。
nice!(0)  コメント(0) 

第5回読書会まとめ。 [読書会]

平成24年4月23日
午後7時~9時

BLネタから始まった今回の読書会。
司会はノサカ氏。
課題図書は映画版が大受けした、百田尚樹「永遠の0」。

やすぎ
戦争史として面白い。

クロダさん
ラストを楽しみに本を読むことが多いが、今回は既読の本だったので、二度目を読んだら各インタビューがパターン化していた分、面白さが半減した。
作者の思いが強すぎるかな。
戦争モノを最後まで読めた初めての本。

かわいさん
今回のような本はきっと与えられないと読まないと思う。読書会ならではだが、読むのに3週間かかった。
インタビューのリアリティはある。
子供が運動会に行って泣くシーンではじめて「小説」として実感した。
死が当たり前の時代において、特攻の意味を考えた。
宮部が最後特攻に行く明確な理由が分からなかった。

ノサカさん
今回「永遠の0」を選んだのは、職場の上司からの紹介だったが、正直小説としての評価は分かれると思っていた。
高年齢者向けと思っていたが、実は若者に人気があるベストセラー本だったが、その謎を読書会で考えたかった。

まとめ
参加者の本への評価は低かったが、読書会としてはとても良い題材だった。
皆が、宮部の特攻参加に至る心情を捕らえきれなかったが、会の意見の中で答えらしきものが見えたような気がした。
かわい氏が引用したユダヤ人心理学者V・E・フランクルの「異常な状況においては異常な反応が正常である」、アニメガンダムにおけるスレッガー中尉の「悲しいけどこれ戦争なのよね」という2つの言葉が、とてもこの本の印象としてふさわしいと思う。


気になる媒体の紹介
やすぎ
「すべてがFになる」森博嗣
「ユージニア」恩田陸
過去の読書会で紹介された作品。
あらためて読書会の魅力は、普段読まない系統の本に気づかされることだと感じた。

クロダさん
探偵ナイトスクープ「レイテ島からの手紙」今回の課題図書に関連した隠し玉。
放送作家百田尚樹が関わった探偵ナイトスクープの番組を、パソコンを持ち込んで映像として紹介。
インターネットでもよく取り上げられる「泣ける回」としても有名。


河合さん
「マボロシの鳥」太田光
普段TVで見る太田光のベースがこの小説にある。
照れ隠しにおとぎ話として人間の良さが書いてある。
河合さんが号泣した作品。

ノサカさん
「GOSICK ーゴシックー」桜庭一樹
ミステリー作品。

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
兄弟愛がクローズアップ。
出ているキャラがしっかり立っており黒猫が好き。


次回読書会ご案内
平成26年6月18日(水)午後7時から

課題図書
「本因坊殺人事件」内田康夫
場所
ラササヤンla136店
nice!(0)  コメント(0) 

第四回読書会の様子 [読書会]

平成26年2月19日(水)の午後7時から、つくも橋 ピリケン 本店の一室をお借りして開催することができました。

今回は5人集まり、9時までわいわい議論?させていただきました。
題材は、「嗤う伊右衛門」(京極夏彦)。

皆さんの感想としては、四谷怪談が再構築されて美しくも悲しい話となったこの小説の中核をなす伊右衛門と岩をどう捉えるかが焦点となったようでした。
梅さんかわいそう論やタイトルに読まされた、正気と狂気の境目はどこかなどといった深かったり浅かったりする意見も多く聞かれ、また書き方、言葉遊びについての言及もありました。
大分、深く掘れたような気がします。


次回は4月に開催予定です。
次回のお題は、百田尚樹の「永遠のゼロ」。
話題の作品でまたお会いしましょう。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。