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第17回読書会 [読書会]

 流浪の会合、「星を読む会」が始まりました。
 第17回読書会は、平成28年7月27日(水)午後7時から、まちよかCafeで行われました。課題図書は、泉鏡花著「高野聖」。まずは皆さんの意見に耳を傾けてみます。

1さん
 本は持っていたが、積ん読になっていた。苦労しながら読んだ。読みづらい。滝のシーンあたりで面白くなってくる。全体のイメージがつかみにくい。
 作中、女性が一人しかでてこない。泉鏡花の女性観
として、女性を魔物として捕らえた?
 もう一度じっくり読み直したい。

2さん
 最初読みづらく感じた。山奥の家にたどりついたあたりで「ああ、こういう雰囲気か」と感じた。
 滝のあたりでホラー感を感じた。「女性は美しいけど恐ろしい系」。
 色気に惑わされて動物に変えられてしまう男性たち、しかしお坊さんだけが助かるのは、話し相手になってあげたいという純粋な憐憫、女性の不憫さを感じたからこそ助かったのか?
 純愛ラブストーリーと感じる。

3さん
 作品が難しかった。ネットで粗筋を読んだが、それでも全体像をつかみ切れなかった。
 言葉は古く難しいが、草をかき分けるシーンなどにリアルさを感じ気持ち悪く書けるもんだと思った。

4さん
 読みづらく感じた。
 お坊さんの語る怪談話にした理由が分からなかった。当時は、お坊さんが怪談を普通に話したのか。時代背景も知りたいと思った。
 きわどい表現の中に「背中を洗う」などの表現から、女性に母性を求めたと感じた。

5さん
 昔読んだ記憶があったが、筋が頭に入ってこなかった。読みづらいという会員の意見を聞いて安心した。

6さん
 電車の中、降りてから、宿につくまでの話が事細かい。山中で女性に出会うまでが長い。お坊さんが女性に会ってからは早く読めた。
 文体がなじめなかった。お坊さんの語り口調も如何なものか。

 皆さんの感想のあとに、特に印象に残った箇所などについて話しました。
・「高野聖」の意味。
・「女」の象徴について
・化かした男たちのあしらい
・お坊さんがいない時に女性が動物たちにしていた行為を推測
・癒しの力を持った「女」が人間を畜生にまで落とす力
・動物を追い払うシーン
・馬飼のオヤジの話は真実か

 全体的に難しかったとの声が多かった今回の課題本。また読みたいとの少数意見もありましたが、時代の壁は厚かったか?
 個人的には他の作品も読みたいですが…

 読書会も一段落し、会員のみなさんがおすすめする本を紹介する時間になりました。

・森博嗣「スカイ・クロラ」
 各エピソードの扉で、サリンジャー「ナイト・ストーリーズ」の文章が所々差し込まれるのも雰囲気があって好き。
 きれいな文章、きれいな装丁がとてもいい。

・米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」
 「バベルの会」と呼ばれる読書会の話。
 江戸川乱歩的おどろおどろしい感じのミステリー。

・重松清「十字架」
 映画化される作品。
 主人公が中学2年生の男の子。小学校までは中のよかったクラスメートが自殺してからの20年を描く作品。遺書の中に4人の名前があり、主人公は「親友」として書かれていた。
 とても丁寧にかかれる20年とても良かった。

・松本大洋「ZERO」
 一番好きなマンガ家として紹介。ボクシングマンガ。
 

 ちょうどここで時間となり、二時間の読書会お開
きとなりました。参加された会員の皆様、お疲れさまでした。
 また、今回で長らく会場を提供してくださっていた「まちよかCafe」様が営業時間の変更に伴い、今後読書会の場所としての使用ができなくなったため今回で最後となりました。
 今後は別の場所で読書会を行うこととなりました。良い会場があればぜひ情報提供お願いいたします。

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