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24回読書会無事終了 [読書会]

KIMG1390.JPG第24回読書会が、2017年9月27日(水)午後7時から、よつばCafeで行われ無事終了しました。

課題図書は、「もしドラ」。会初の実用書?に戸惑ったメンバーも。
60歳代の初参加さんと20歳代の初参加さん二名を加えて、福井読書会がどう動いたか、また後日レポートをアップします。
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7/26 23回福井読書会レポート [読書会]

 第23回読書会が平成29年7月26日(水)午後7時から、よつばCafeで行われました。

●読書会 19:15~

 今回の読書会は、中島敦著「山月記」、森見登美彦著「新釈走れメロス」より「山月記」の2冊を取り上げました。
 昔の中国が舞台、現代の京都が舞台の二冊の山月記は会員の皆さんはどのように読まれたのでしょうか。
 皆さんお忙しい中読書をされたようで、短編読むのが精一杯という状態の中、雑談形式で感想を交換しました。

・李徴が自分と似ている。能力の無い李徴が自分だと思うので感情移入ができる
・斉藤先輩の性格
・森見登美彦は松本零士が好きなのか?
・純文学が苦手な人でも森見版は読みやすい
・原作を読むと尚おもしろさが伝わる
・天狗の「唾を吐く」行為は「天に向かってつばきする」行為なのか
・李徴は虎から人に戻れなかったが、斉藤先輩は人に戻れるのに戻らなかった
・夏目巡査が何度も下山しましょう、と誘うのに振り切った斉藤先輩
・詩が残った李徴と何も残らなかった斉藤先輩
・山中に残されたネタ帳がさびしい
・斉藤先輩を尊敬し続けた永田先輩
・物書きから逃げた斉藤先輩は失語症に陥ったのか?
・印象的な「もんどり!もんどり!!」
・最後燃えた天狗
・自分を天狗と思いこんだ普通の人間としての可能性
・人を憎む 世の中を憎む
・水面に映った月をとろうとして溺死したのは李白
・なぜ「中島敦の山月記」は高校の教科書で使われているのか?
 →戦後間もない時期から使われている様子
・好きなことして虎になるという教訓は現代に合わない
・反省しない李徴、虎になっても治らない自嘲癖
・新釈版は斉藤先輩が好意的に描かれている
・夏目くんと永田先輩の斉藤「阿呆」呼ばわり
 →関西の「阿呆」はほめ言葉
・二作の決定的な違いは、家族のいる李徴と恋から逃げた斉藤先輩?
 →女性の読み手と男性の読み手で違う感想
・大学生の最長は10年。28歳になると周りの風景も変わる。変わっていく風景や環境、交友関係
・なんだかんだで京都に縁のある参加者
・京大周りの話で盛り上がる
・話は再び斉藤先輩へ
・夢をあきらめない、ことと、家庭を持つことの両立
・あこがれる人と結婚したい人は別
・年下になる文豪

 話は尽きず、「新釈走れメロス」の他の短編や中島敦の他の作品に軸足が行ってしまいそうになるのをこらえ、ここらで感想交換は終了いたします。

20:40~
 会員のみなさんがそれぞれのオススメ本を紹介しあいました。
 今回のテーマは「お腹が空く本」「料理が印象的な本」を紹介していただこうとお持ちいただきました。

●森見登美彦著 「有頂天家族」
 京都で父狸にして狸界の頭領「偽右衛門」でもあった総一郎を狸鍋にされた下鴨家の三男 矢三郎が主人公。その総一郎を狸鍋にした金曜倶楽部が下鴨家を狙う!

 今日の課題図書つながりと、アニメでおもしろかったのでチョイスした。たぬき鍋、密造酒「偽電気ブラン」が印象的!!


●長野まゆみ著「耳猫風信社」
 主人公の「ぼく」は、日記帳を求めてとなり町へ行く決意を固める。
 人間の世界と猫の世界が混じり合う童話のようなファンタジーのような幻想小説。
 萩原朔太郎の作風がある。食事シーンが多く、作中に出てくるタルトがおいしそう!

●九井諒子著「ダンジョン飯 1」
 君はドラクエでスライムを食べたいと思ったことはないか!?
 地下迷宮の最深部で妹と生き分かれた兄は残ったパーティーを連れ再び最深部を目指す。しかし、食料は現地調達!モンスターを狩って食べる!!
 レイスシャーベット、バジリスクはおいしそう。

 ここで時間となりました。参加した皆様お疲れさまでした。


 次回24回読書会は、2017年9月27日(水)午後7時から9時まで、よつばカフェで行います。
 課題図書は岩崎夏海著「もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」です。
 福井読書会初の実用書。短編の課題図書が続いていましたので、次回はがっつり読んでご参加ください。


 また、本との出会いをオススメする紹介本のお題は「私が一番好きな本」です。
 今まで読んできた色んな本の中で、一番好きな本をご紹介ください。
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22回福井読書会レポート [読書会]


 第22回読書会が平成29年5月31日(水)午後7時から、よつばCafeで行われました。
 今回は新規の方2名が参加されました。片や池井戸潤、コナン・ドイル、鬼平犯科帳好き、片やファンタジー好きと系統が分かれるお二人。これからも長く参加されることをお祈りいたします。

●読書会 19:10~
 今回の読書会は、浅田次郎著「ラブ・レター」を取り上げました。まずは泣けたか泣けなかったか、感動のポイントは?感動しなか ったのはなぜか?などを中心に感想をお聞きしました。

1さん 切なくて泣けた…
 いろんな愛の形があることを知った。達筆な手紙の中の「やさしい」という言葉で主人公 高野の心を鷲掴みにする白蘭(パイラン)はただものじゃないと感じた。
 自分が知らないだけでこの世にはいろんな世界がある。主人公の高野が暮らした町は歌舞伎町だが、椎名林檎の歌「歌舞伎町の女王」にも「同情を欲っしたときに全てを失う」という歌詞があるようなそんな世界を想像する。情に棹させば流される世界。高野も感情を無くすことで生きてきた。
 白蘭の手紙に「みんな優しい」とあるが、現代の遊郭において周囲は優しくなんかなかったと思う。
 高野はそんな手紙の中の「優しい」という言葉に優しさを思い出したと思う。生前にこの二人が出会っていたら、高野の夢のような優しい世界で過ごせたと思うと、二人を出会わせてあげたかった。

2さん 泣けませんでした…
 自分は冷たい人間かも?と感じたが、本の中に今一歩入り込めなかった気がする。共感するには自分の経験値が足りない。
 特殊な世界、特殊な恋愛、一度も会わない二人が純愛という本当に想像できない出来事のように感じた。
 高野の死体安置所の嗚咽の場面も客観的に読んでしまった。

3さん 優しさを感じた…
 過酷な状況の中、死ぬ間際にも暖かい手紙を書ける優しい白蘭、白蘭の状況を思って泣ける高野の優しさに感動した。どちらかと言うと高野の優しさに感情移入できた。
 もうちょっと早めに白蘭から連絡したら良かった?

4さん とっつきやすい作品でした…
 白蘭はだまされて働かされていると想像した。そんな中、高野の写真をみて癒しや救いを求めた場面にほろりときた。
 自分を取り巻く情勢の全体を知らず、ただ体を売ることで生きてきた白蘭の生き様。
 都会と田舎の時間の流れの違いを対照的に書いていると感じた。高野が夢見た田舎を象徴的に書いている作品だと思った。

5さん 見た目に反して涙もろいので…
 出会いや別れを経験した時、人は「変われる」と思う。高野は「出会い」と「別れ」を同時に経験したことで自分の生き方を見つめて少しでもまっとうな道を歩こうと考えるきっかけになったのではないか。
 白蘭が書いた手紙はラブレターではなかった。すがる人がいない中での光明を見いだした「信仰」ではないか?
 高野は生まれて 初めて「必要」とされたことで、人生が変わったのではないか。

6さん 泣けなかったけど、うるっときた…
 もっとも象徴的なのは「新宿歌舞伎町」という欲望の町で、白蘭のきれいな心、純朴さとのギャップに感動した。
 自分のことさえも愛せない男に、おしみない愛を注ぐことの高潔さ。
 高野の夢の中で白蘭が浜茄子になっているが、花言葉は「うつくしい悲しみ」、「旅の楽しみ」となっていた。浜茄子は一日花なので、短命な白蘭 を象徴していると思う。

7さん 泣けなかったが心をとても打たれた…
 白蘭の手紙からでも分かる優しさ、けなげさ。それと対照的な、売春や病院にも見てもらえないぐらいの生活。
 そんな生活でも「幸せ」と書ける白蘭は中国ではどんな生活を送っていたのか気になった。

8さん 皆さん「良かった」という感想の中…
 ぜんぜん泣けなかった。
 さとしに感情移入して読むと、高野の行動はおかしい。白蘭がかわいいからそんな行動を 取ったのか、と考えてしまった。始めてみた写真がおばちゃんならこうならないのではないか。
 美貌ありきの話だなぁ。

9さん いい話っちゃあ、いい話なんですが…
 主人公なにもしてないですよね?死体見て号泣しただけで、あとは舎弟にまかせっきりなのは、ちょっと社会人としてひどい?

 一通り皆さんのご意見を拝聴した上で、さらに雑談の中で深化を行います。

・さとしは「普通」の対応
・さとしは手紙を読んでいないので、 対応が普通になる
・出てくる人はみんな悪い人。白蘭も体を売って生活している。きれいな人は一人もいない話。手紙を光明と感じるか否か。
・「売春」してることは衝撃
・片町の近くに住んでいると諸外国の人々の人間模様がすごい。自分の住んでいるところだけが住処ではないと感じる。
・都会には冷たい人は少なかったように思う。背伸びをしている人が多いだけ。
・お金で買えないものに価値がある。白蘭に愛されてるという実感こそが高野の喜び。
・Amazonで課題図書を買ったらマンガ版だったが、これはこれで読み応えがあった
・その後の高野さんはどうなるのか?更正して田舎で生活してほしいが、白蘭の手紙で「高野の心の中に白蘭が住んでいる」ことで変わったことは確か。田舎の生活はお兄さん次第か?
・きれいな自分のままでいたい白蘭 - 高野のことを思って清いままでいたいと感じていた
・相手が見えない手紙は、ネット恋愛と似たもの?
・愛は与える側は感じない、もらう側が感じるもの。

 短編ながら色々な意見が出ました。みなさんの意見は尽きませんが、この辺で終了にしました。


20:30~
 会員のみなさんがそれぞれのオススメ本を紹介しあいました。
 今回のテーマは「夏に読みたくなる本」「夏を連想する本」を紹介していただこうとお持ちいただきました。

森見登美彦著 「夜行」
 夏と言えばホラー!
 10年前に失踪した知人。10年後再会した仲間達は、とある画家が描いた「夜行」 という絵画に出会ってそれぞれ不思議な体験を語る。
 夜行列車が必ずでてくる絵画。伏線が回収されたかどうか分からないまま、なんとなく終わっていく感覚は読み手で変わるかもしれない。

高野和明著 「ジェノサイド」
 夏と言えば大量虐殺!
 コンゴ、アメリカ、日本を舞台に、驚異の知能を有する新人類や創薬ソフトGIFTを巡って繰り広げられる一大スペクタクル。
 他会員も読んでおり、徹夜するぐらい次が気になる傑作とのこと。

室生犀星著 「密のあわれ」
 夏と言えば金魚!
 七〇歳の老作家「おじさま」と「赤子」が織りなす、直接的な表現はないけどエロい日常。老作家と「あたい」との生活を描く、ゆるいエロティシズムあふれる恋慕情。
 しかし、赤子には秘密がありました、そう、赤子は金魚だったのです。

宮木あや子著 「セレモニー黒真珠」
 夏と言えば葬式!
 小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に心温まる葬儀事情 。
 誕生日のプレゼントにもらった本だが、心に響いた。ぜひ、働く女性に読んで欲しい!

ここで時間となりました。参加した皆様お疲れさまでした。



 次回23回読書会は、2017年7月26日(水)午後7時から9時まで、よつばカフェで行います。

 課題図書は2冊。
・中島敦著「山月記」
・森見登美彦著「新釈走れメロス」収録の「山月記」

 新旧二つの「山月記」を読み比べてみたいと思います。

 そして、本をご紹介いただける方は、ぜひ秋に向け「読むとお腹が空く本」、「料理が印象的な本」をご紹介いただけますようお願いいたします。


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5/31 「星を読む会」読書会が終了しました [読書会]

先ほど、「星を読む会」福井読書会が終了しました。
今回の課題図書は浅田次郎著「ラブ・レター」。
色んな読み方があり、今回も関心しきりです。

後日レポートをアップしようと思いますので、刮目して待て!!






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21回福井読書会参加レポート [読書会]

 第21回読書会が平成29年3月29日(水)午後7時から、よつばCafeで行われました。
 今回は新規に大学生の方、飛び入りで会の様子を聞きたいというダンディな紳士の2名が初参加してくれました。読み手が増えれば作品の解釈も増えますので、参加人数が増えるのはとても喜ばしいことです。多くの方のご参加をお待ちしております。

●読書会 19:10~
 今回の読書会は、江戸川乱歩著「人間椅子」を取り上げました。会の皆さんはどのように読まれたのでしょうか。

1さんの感想
 江戸川乱歩を読んだことがなかった。ひきこまれた。  
 椅子に人が入る、という設定に「どんなんや!」と感じた。
 一つ目の手紙と二つ目の手紙の間にある「ある理由」について他の会員の方の意見を知りたい。

2さんの感想
 高校生のときに読んだ。気持ち悪いという印象を受けた。人が椅子に入るという設定から、中に人がいないのを確認した時期があった。それだけ印象に残った作品だと思う。
 臭いでばれないのか?など、現実的な点が気になった。
 池袋にある立教大学横の乱歩記念館を訪れたことがあり、土蔵の中の椅子を興味津々に眺めた。
乱歩記念館探訪記 http://ameblo.jp/sakaimy/entry-11688922632.html?frm=theme

3さんの感想
 少女マンガで知った。色々コミック化されている。こんな気持ち悪い作品を考えたのは誰や?と興味を持ち江戸川乱歩を知った。
 その後しばらく、後ろに人がいるか気になるようになった。

4さんの感想
 あまり本を読まないが、気味の悪い表紙に驚いた(田島昭宇)。
 怖さ気持ち悪さに驚いたが100年前の人が書いた、という事実が新鮮。

5さんの感想
 青空文庫で読んだ。不気味だけど楽しく読んだ。  手紙の主が主人公と思って感情移入しながら読んだ。  共感しにくに部分もあり、他の会員の声が聞きたい。


 一通りご意見を拝聴した上で、フリートーキングを行います。

・女流作家を驚かせ作家として名を上げたい、という欲 望。
・部屋の配置が気になる。
・生活習慣を知っているかのようなタイミングでの投函。
 →見られてるかのような錯覚。
  →乱歩の「恐怖」を感じさせる文章
・女性は臭いや生活の痕跡が気になる。

フィクションとして書かれる椅子職人の内面を考える ・「椅子に入り座った人の体つきを確かめる」体内回帰を狙った?
・なぜ「椅子」なのか?椅子は人の形をしている。

自分に置き換えてみると、どの登場人物にな るか?
・悪趣味な登場人物。
・女流作家のファンとして気をひきたいがために怖がらせた。
 →感銘を受けてもらいたいがための行為。
・椅子職人がイケメンなら、椅子に入ることはやらない。
・投函したファンがイケメンなら、気味悪いことはしない?
・かっこいいから女性に不自由?かっこいいけど女性に不自由?
・文体が丁寧すぎて気味の悪さをあおる。
・女流作家に送ったことに意味がある。
・欲求のエスカレートが気持ち悪い。
・コミュ障が「触れあい」を求めるとこんな感じ?
・「創作」の線引きが曖昧。
・いつも見られているかもしれない、という恐怖。
・その後どうなったのか、それは本当に小説だったのか、という後味の悪さ。

 色々な意見が出ましたが、皆さん「気持ち悪さ」から、リアルな恐怖や 他の感想を抱いたようです。
 文章の多くが「告白」だったことから、今回来ていない会員の意見をぜひ聞いてみたいところですが…
 ちょうど 時間となりました。ある会員の最後の感想で締めたいと思います。

「安全な場所から他人を見てみたい、という欲望はみんなにある」

20:30~
 会員のみなさんがそれぞれのオススメ本を紹介しあいました。

森見登美彦著「夜は短し歩けよ乙女」
 アニメ映画になる作品でぜひ皆さんに紹介したかった。
 京都の大学生が恋に奔走する青春物語。
 京都に在住したことがある人間ははまるかも?

森見登美彦著「聖 なる怠け者の冒険」
 作者かぶり。京都の宵山を舞台に、怠け者の主人公を取り巻くぽんぽこ仮面の冒険活劇。

東野圭吾著「さまよう刃」
 一人娘を殺された父親の復讐モノ。
 残酷な雰囲気があったものの、500頁一気読み。
 父親に共感しながら「復讐を遂げてほしい」という気持ちをもった。

室生犀星著「密のあわれ」
 昭和34年の作品。
 二階堂ふみ、大杉漣で映画作品化し、今後読んでみたい。
 老作家と、自分を「あたい」と呼ぶ赤子との生活を描く、ゆるいエロティシズムあふれる恋慕情。

ここで時間となりましたので、お開きとなりました。


 次回22回読書会は、2017年5月31日19時から、同じくふたばCafeで行う予定をしております。

 課題図書は、浅田次郎著「ラブ・レター」。

 来られる方は、ぜひ「夏に読みたい本」「夏が恋しくなるような本」をご紹介いただけますようお願いいたします。


 今日はここまでにしとうございます…


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21回読書会のレポート(遅延のお知らせ) [読書会]

先日行われた21回読書会の様子をお知らせしたいのですが、中々筆が進みません。

そこで先に次回お知らせ!!

次回、22回読書会は5/31開催。
課題図書は満を持して登場、浅田次郎!

浅田次郎著「ラブ・レター」。

「鉄道員(ぽっぽや)」に収録されている短編です。
涙なくしては読めない作品ですので、ぜひハンカチ片手に!


また次回読書会には、「夏に読みたくなる本」「夏を連想する本」など夏に関連する本をお持ちください。

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第廿回福井読書会レポート [読書会]

 流浪の会合「星を読む会」主催第廿回読書会は、平成29年1月25日(水)午後7時から、福井市渕にある『よつばCafe』で行われました。あけましておめでとうございます。
 喫茶店に着くと、カウンターに座っていたお客さんから「ちょっといいですか?」と話を切り出される。驚きながらも話を聞くと、その方の知人が本好きで読書会に興味があるそうな。
 名刺交換をしつつ、読書会の良さを語る。ぜひ、お越しくださいと伝え会員の到着を待つ。そして、そこに飛び入りの女性参加者現れる!!読書会に風が吹いているのか!?
 みなさんもぜひ、飛び込みで、または様子見でいいのでお越しください。百聞は一見に如かずですよ。

 さて、今回 の課題図書は、村上春樹著「風の歌を聴け」。今回初参加の方はハルキストだとの事。他の会員は村上春樹の著書の事を聞きたくてうずうずしている様子でしたが…

 まずは皆さんの意見に耳を傾けてみます。

1さん
 『村上』と言えば村上龍、『春樹』と言えば角川春樹、の自分は村上春樹の著書をはじめて呼んだ。以前も手に取ったが途中で読むのをやめた。
 「完璧な文章などと言ったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」という冒頭の書き出しが、人間は経験したことしかアウトプットできないと思っている自分の心をつかまれた。
 何万人もの人が研究した文章、魅力のある文章はこの時代でも古くないと感じた。

2さん
 大学時代に課題でこの本を読み、当時は、おしゃれっぽいものにあこがれていた自分は村上春樹の著書をすごく読んだ。自分を形作るもののひとつになっている。  今になっては、意味ありげな言い回しに憧れていたのか?と思う。
 今読むと少々鼻につく。村上春樹はファッションかも?

3さん
 村上春樹の文体が最後まで受け付けなかった。文体が安定していない、という解説を読んだことがある。文体の雰囲気が又吉直樹の「火花」と似てると感じた。

4さん
 他の方の感想がとても新鮮に聞こえた。久しぶりに読み返したが、ハルキストの自分からすると違った見方があった。
 文体が心地よく感じた。この心地よさは、村上 春樹のエッセイ「職業としての小説家」にも書いてあったが、音楽を聴くようにタイピングしているその音の重なりやリズム、ハーモニー、アドリブが影響している。
 これは、天から降りてきたデビュー作とも呼べるものだと思う。

5さん
 高校生のころ「ノルウェーの森」を読んで村上春樹作品にはまった経験がある。
 この作品は読みづらかった。村上作品を久しぶりに読むと、村上春樹を読んでる自分が好きだったのかもしれないと思った。  主人公って中二病かも?

6さん
 「ダンス・ダンス・ダンス」を読んだことがあるが、その長編に苦心した覚えがある。
 この作品は散文を読せあつめたような文章だと思ったが、村上作品 は音楽という感想を聞いて腑に落ちた気もする。

7さん
 読み切るのに苦労したが、音楽を聞くようにという感想はよく分かる。
 比喩が考えさせられるがその比喩に無理がある気がした。その読者の困惑を村上春樹が楽しんでるのか?という気さえした。
 今後も村上作品を楽しみたいので、他の人の読み方や楽しみ方を教えてもらえればと思って、読書会を楽しみにして来た。

8さん
 村上春樹作品にふれる機会がなく、今回の読書会を楽しみにしていた。
 比喩や文章の使い方が独特で、最後まで読み切れた。読書会用に2回読んだが、意味の分からないところやつながりが分からない所が何カ所かあった。
 こじゃれた雰囲気やお酒の名 前、音楽の名前が若いお姉さん方の琴線に触れたのかな、と思う。

 一通り感想が出たので、雑談方式で深化を行います。福井読書会では「ブレインストーミング」の手法を用いて自由な議論を推奨しています。
  ・他人の意見を批判・否定しない
  ・意見に乗っかることを推奨する
  ・突飛な意見を歓迎する

会員のみなさんの意見
・村上春樹作品を「こじゃれてる」という感想に驚いた。どちらかというと泥臭いと感じていた。
・ミステリーの読み方の癖がつき、一つの文章やアイテムにひっかかり伏線かと疑ってしまう。
・伏線?が回収されないところがジブリのストーリーと似てる?
・オタク文化と呼ばれる要因がその回収されない伏線にあるのかも?
・片岡義男と作風が似てる気がする
・おしゃれアイテムがすごく良い。雰囲気がある。
・後の作品の原石がすべてあると思う。
・ねずみ三部作の初作と呼ばれることも
・次に村上春樹を読むなら、うみべのカフカ、1Q84をオススメ

 村上春樹を読んでみたいけど読み方?が分からない、といった方が多かったように感じました。
 難解な比喩や癖のある登場人物、小道具が読み手を惑わせた感もあり、その困惑感を楽しめるか否かという結論になった気がします。
 皆さん、お疲れさまでした。

 次に会員のオススメ本や今後読んでみたい本の情報交換会となりました。

・アン ウォームズリー著「プリズン ・ブック・クラブ」
 筆者がボランティアでカナダの刑務所内での読書会を手伝ったお話。受刑者が様々な本を読み、それぞれの感想を抱く。
 書中で紹介されている本もおもしろいらしく、話題となっていました。
 福井読書会でも取り上げたい一冊です。

・原田マハ著「デトロイト美術館の奇跡」
 ノンフィクション。2013年の財政難のデトロイトにあってデトロイト美術館の美術品も他人事ではなかった。
 市民の暮らしと過去の遺産。どちらを守るか、全米を巻き込んだ論争に発展していく。
 「最後感動します!」と紹介者は教えてくれました。

・重松清著「とんび」
 昭和37年、28歳の「ヤスさん」に長男「アキラ」が誕生した 。その幸福も突然の悲劇で打ち砕かれる。不器用な男親が素直な息子と向き合う長編小説。
 読書会の男性陣は絶対泣ける!と紹介者からのお墨付きの本。

・宮下奈都著「静かな雨」
 宮下奈都さんのサイン会があったじっぷじっぷで買った本。
 短期の記憶障がある女性に恋した男の話。

・道尾秀介著「片目の猿」
 叙述トリックが秀逸、最近注目の作家

・白倉由美/伊島薫著「ロリータの温度」
 多重人格サイコ関連書籍。写真と短編から成る、ロリータ℃、6回死んだ少女、6人の少女の儚い話。
 写真は平野綾。ワンショットだけ沢尻エリカが写ってる?

・川島小鳥写真集
 創作の森で写真展を行っていたそうです。
 装丁を手がけた祖父江慎さんとのトークショーもあったようで、写真集のかわいい女の子は必見。

・京極夏彦著「どすこい(仮)」集英社
 表紙のぬめり感を味わっていただきたい。
 装丁は祖父江慎

 ちょうどここで時間となり、二時間の読書会がお開きとなりました。参加された皆さん、お疲れさまでした。
 次回二十一回読書会でまたお会いしましょう。

 次の課題図書は、江戸川乱歩著「人間椅子」です。

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第19回読書会レポート [読書会]

よつばカフェにいます。夕方7時からの読書会にそなえてカレーで腹ごしらえ。 #読書会 #福井読書会 #星を読む会

とTwitterでつぶやきながら、会場のよつばカフェで「進撃の巨人」読んで待っていると、開始5分過ぎたあたりでやっと二人目が来て、その後ぱらぱらと会員が集まるゆるーい会合ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
それでも、また新しい参加者が増え6人でわいわいと語らいをはじめたのですが…

19回目を数えた星を読む会主催「福井読書会」、今回の課題図書は、横溝正史著「悪魔の手鞠唄」。
どうも皆さん大苦戦された模様で…

会員のみなさんからのご意見
・日本語がつらい ー ちょっと読みづらかった
・登場人物がおぼえづらい ー 相関図を見ながらはじめて別所千恵子が大空ゆかりだと分かった
・分量が多い ー 10月、11月は年末に向かう中で何かと忙しい時期で…

まぁ、しょうがないですよね。課題図書のすべてが会 員のみなさまの趣向に合う訳でもなく。
というわけで、読了者2名で本の良かったところを他の会員に伝えるという珍妙なスタイルに変更。

・相関図はとても便利だった
・映像化された悪魔の手鞠唄はとても強烈だった
・角川映画では犯行現場がきれい
・アクティブに動く金田一が読めるのはこの作品
・冒頭の「十条」がすべて
・しかし犯行を防げない「名探偵」って
・NHKBSプレミアムの「獄門島」でも事件がないと生きていけないって言ってた
・同作品の中で「人が人を殺す理由を知りたい」って言ってた
・活動弁士はよく分からないが声優さんみたいなもんか?
・作品が書かれた時代背景も考える必要がある
・横溝との出会いがこの手鞠唄の映像、そこから私の文芸ライフがはじまった

その後も、金田一耕介の収入は?2016年は金田一イヤー、横溝先生のコンプレックスなどなどの話でずるずる。
会員のみなさん、ぜひお正月休みに最後まで読んでくださいね~

その後、11月27日に福井市内で行われた「まちライブラリーサミットinふくい」に参加したHさんから参加の報告が行われました。
かなりゆるいイベントであったと。
力を抜いて、本とまちを生かそうとするイベントであった、との趣旨の報告がありましたので、また別の機会にHさんに説明を受けたいと思います。

また、11月26日に岡山の倉敷市で開催された2016「1000人の金田一耕介」通称、『千金』に参加した会員二人から、パソコンの写真を見ながらいいだろう、行ってきたんだぜ自慢。
千金で手に入れたお土産片手に思い出話。来年はさらに会から参加者が増えるかも?

この辺でお借りしていた時間が尽きましたので閉会のあいさつをばいたしまして閉会となりました。
参加していただいた皆様、お疲れさまでした。

次回、第20回福井読書会は、平成29年1月25日(水)19時から。
課題図書は村上春樹著「風の歌を聴け」です。
皆様、お気軽に ご参加ください。

どっとはらい。

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第18回福井読書会レポート [読書会]

 流浪の会合「星を読む会」主催、第18回読書会は、平成28年9月28日(水)午後7時から、福井市渕にある「よつばCafe」で行われました。
 新しい場所で行われる読書会。また、新たに加わった方も来られ、少し緊張の面もちで会が始まりました。  
 今回の課題図書は、松本清張著「家紋」。まずは皆さんの意見に耳を傾けてみます。

1さん
 前回の課題図書「高野聖」は高尚な文章でちょっと読みづらかった。「家紋」はまとまっていて、情景描写がうまく読みやすかった。
 犯人を暴くところが好きなミステリー好きだが、この作品は犯人、トリックを暴く点には程良く力が抜けていて、心理描写で犯人をあっさり書いているところが良かった。

2さん
 三国の本当にあった事件を基にした松本清張に、「うれしさ」を感じてしまう。ただ、題材にしてるだけで、自分が聞いている本当の事件と小説は違う点が多い。
 夜中に誰かが訪ねてくるだけで怖いのに、明かりの少ない当時はもっと怖かった はずだが、顔が分からない状態だけでも提灯の家紋だけで信じてしまうのもそういう時代なんだと感じた。
 最後はロマンティック?「羊たちの沈黙」を思い出した。
 色恋沙汰だとしたら、殺された人々は「なぜ殺されなければいけなかったのか?」という疑問がある。

3さん
 映像を先に見て「しまった」と感じた。原作の描写が映像優先になってしまった。
 田舎特有の人間関係のしがらみを感じる。この時代に生きてなくて 良かったと感じた。
 浄土真宗の衣装や慣習に興味が沸いた。
 想像する余地があるのが、読書の良いところだと思う。
 女性目線から読むと、やはり女性の地位が低く感じられた。

4さん
 課題図書が決まってすぐ本を購入した。楽しく読ませてもらった。
 不可思議な事件。恋愛がもととなっての事件だが、登場人物に「恋愛」との縁が遠く感じるが、こういったことも起きるんだろうなぁ、と余韻を残すストーリーだっ た。
 なぜこの事件が迷宮入りしてしまったのか?
 実際に共同体が加害者をわかりにくくしてしまう事件として、名張ぶどう酒事件(1961年)を思い出した。

5さん
 実際の事件を知らずに読んだが、文章が流れるようでわかりやすかった。
 文章中「あれっ?」と思うスムーズな文章の流れを断ち切るようなひっかかりは、著者から読者へのヒントになっている箇所があった。
 動機が希薄?
 雪代が犯人を想起する場面が 、読んでいて好きな文章。

 皆さんの感想のあとに、特に印象に残った箇所などについて話しました。
・テレビドラマ版との違い
・自分のものにならなかったから殺したのか?
・自分の地位を守るために
・最初と最後の文章
・雪代は誰の子であるのか?
・事件の裏にある大いなる力
・現代の事件と当時の事件の解釈の違い

 一通り出終わった感のあるところで、「まだ話してないことが!!」と提示されたのが、「なぜ雪代まで連れて行こうとしたか?」などの残された闇。
 各自もう一度読んでみましょう、とお茶を濁し課題図書は終了となりました。
 全体的に読みやすかった感がある今回の課題本。松本清張の短編ではなく長編も読んでみたい所です。

 次に 会員のみなさんがおすすめする本を紹介する時間になりました。

・百田尚樹著「風の中のマリア」
 専門学校の先生からオススメされた本。オオスズメバチの話。弱肉強食の世界を淡々と書いているように感じている。

・一条ゆかり著「有閑倶楽部」

・夢枕獏著「陰陽師 玉兎ノ巻」

・ヘンリー・スコット・ホランド著「さよならのあとで」
 詩集。一頁に一文とすてきなデザインが掲載されている。 亡くなった方からこの世に 残された大事な人へ送る一遍の詩。

 ちょうどここで時間となり、二時間の読書会お開きとなりました。参加された会員の皆様、お疲れさまでした。


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第17回読書会 [読書会]

 流浪の会合、「星を読む会」が始まりました。
 第17回読書会は、平成28年7月27日(水)午後7時から、まちよかCafeで行われました。課題図書は、泉鏡花著「高野聖」。まずは皆さんの意見に耳を傾けてみます。

1さん
 本は持っていたが、積ん読になっていた。苦労しながら読んだ。読みづらい。滝のシーンあたりで面白くなってくる。全体のイメージがつかみにくい。
 作中、女性が一人しかでてこない。泉鏡花の女性観
として、女性を魔物として捕らえた?
 もう一度じっくり読み直したい。

2さん
 最初読みづらく感じた。山奥の家にたどりついたあたりで「ああ、こういう雰囲気か」と感じた。
 滝のあたりでホラー感を感じた。「女性は美しいけど恐ろしい系」。
 色気に惑わされて動物に変えられてしまう男性たち、しかしお坊さんだけが助かるのは、話し相手になってあげたいという純粋な憐憫、女性の不憫さを感じたからこそ助かったのか?
 純愛ラブストーリーと感じる。

3さん
 作品が難しかった。ネットで粗筋を読んだが、それでも全体像をつかみ切れなかった。
 言葉は古く難しいが、草をかき分けるシーンなどにリアルさを感じ気持ち悪く書けるもんだと思った。

4さん
 読みづらく感じた。
 お坊さんの語る怪談話にした理由が分からなかった。当時は、お坊さんが怪談を普通に話したのか。時代背景も知りたいと思った。
 きわどい表現の中に「背中を洗う」などの表現から、女性に母性を求めたと感じた。

5さん
 昔読んだ記憶があったが、筋が頭に入ってこなかった。読みづらいという会員の意見を聞いて安心した。

6さん
 電車の中、降りてから、宿につくまでの話が事細かい。山中で女性に出会うまでが長い。お坊さんが女性に会ってからは早く読めた。
 文体がなじめなかった。お坊さんの語り口調も如何なものか。

 皆さんの感想のあとに、特に印象に残った箇所などについて話しました。
・「高野聖」の意味。
・「女」の象徴について
・化かした男たちのあしらい
・お坊さんがいない時に女性が動物たちにしていた行為を推測
・癒しの力を持った「女」が人間を畜生にまで落とす力
・動物を追い払うシーン
・馬飼のオヤジの話は真実か

 全体的に難しかったとの声が多かった今回の課題本。また読みたいとの少数意見もありましたが、時代の壁は厚かったか?
 個人的には他の作品も読みたいですが…

 読書会も一段落し、会員のみなさんがおすすめする本を紹介する時間になりました。

・森博嗣「スカイ・クロラ」
 各エピソードの扉で、サリンジャー「ナイト・ストーリーズ」の文章が所々差し込まれるのも雰囲気があって好き。
 きれいな文章、きれいな装丁がとてもいい。

・米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」
 「バベルの会」と呼ばれる読書会の話。
 江戸川乱歩的おどろおどろしい感じのミステリー。

・重松清「十字架」
 映画化される作品。
 主人公が中学2年生の男の子。小学校までは中のよかったクラスメートが自殺してからの20年を描く作品。遺書の中に4人の名前があり、主人公は「親友」として書かれていた。
 とても丁寧にかかれる20年とても良かった。

・松本大洋「ZERO」
 一番好きなマンガ家として紹介。ボクシングマンガ。
 

 ちょうどここで時間となり、二時間の読書会お開
きとなりました。参加された会員の皆様、お疲れさまでした。
 また、今回で長らく会場を提供してくださっていた「まちよかCafe」様が営業時間の変更に伴い、今後読書会の場所としての使用ができなくなったため今回で最後となりました。
 今後は別の場所で読書会を行うこととなりました。良い会場があればぜひ情報提供お願いいたします。

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