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22回福井読書会レポート [読書会]


 第22回読書会が平成29年5月31日(水)午後7時から、よつばCafeで行われました。
 今回は新規の方2名が参加されました。片や池井戸潤、コナン・ドイル、鬼平犯科帳好き、片やファンタジー好きと系統が分かれるお二人。これからも長く参加されることをお祈りいたします。

●読書会 19:10~
 今回の読書会は、浅田次郎著「ラブ・レター」を取り上げました。まずは泣けたか泣けなかったか、感動のポイントは?感動しなか ったのはなぜか?などを中心に感想をお聞きしました。

1さん 切なくて泣けた…
 いろんな愛の形があることを知った。達筆な手紙の中の「やさしい」という言葉で主人公 高野の心を鷲掴みにする白蘭(パイラン)はただものじゃないと感じた。
 自分が知らないだけでこの世にはいろんな世界がある。主人公の高野が暮らした町は歌舞伎町だが、椎名林檎の歌「歌舞伎町の女王」にも「同情を欲っしたときに全てを失う」という歌詞があるようなそんな世界を想像する。情に棹させば流される世界。高野も感情を無くすことで生きてきた。
 白蘭の手紙に「みんな優しい」とあるが、現代の遊郭において周囲は優しくなんかなかったと思う。
 高野はそんな手紙の中の「優しい」という言葉に優しさを思い出したと思う。生前にこの二人が出会っていたら、高野の夢のような優しい世界で過ごせたと思うと、二人を出会わせてあげたかった。

2さん 泣けませんでした…
 自分は冷たい人間かも?と感じたが、本の中に今一歩入り込めなかった気がする。共感するには自分の経験値が足りない。
 特殊な世界、特殊な恋愛、一度も会わない二人が純愛という本当に想像できない出来事のように感じた。
 高野の死体安置所の嗚咽の場面も客観的に読んでしまった。

3さん 優しさを感じた…
 過酷な状況の中、死ぬ間際にも暖かい手紙を書ける優しい白蘭、白蘭の状況を思って泣ける高野の優しさに感動した。どちらかと言うと高野の優しさに感情移入できた。
 もうちょっと早めに白蘭から連絡したら良かった?

4さん とっつきやすい作品でした…
 白蘭はだまされて働かされていると想像した。そんな中、高野の写真をみて癒しや救いを求めた場面にほろりときた。
 自分を取り巻く情勢の全体を知らず、ただ体を売ることで生きてきた白蘭の生き様。
 都会と田舎の時間の流れの違いを対照的に書いていると感じた。高野が夢見た田舎を象徴的に書いている作品だと思った。

5さん 見た目に反して涙もろいので…
 出会いや別れを経験した時、人は「変われる」と思う。高野は「出会い」と「別れ」を同時に経験したことで自分の生き方を見つめて少しでもまっとうな道を歩こうと考えるきっかけになったのではないか。
 白蘭が書いた手紙はラブレターではなかった。すがる人がいない中での光明を見いだした「信仰」ではないか?
 高野は生まれて 初めて「必要」とされたことで、人生が変わったのではないか。

6さん 泣けなかったけど、うるっときた…
 もっとも象徴的なのは「新宿歌舞伎町」という欲望の町で、白蘭のきれいな心、純朴さとのギャップに感動した。
 自分のことさえも愛せない男に、おしみない愛を注ぐことの高潔さ。
 高野の夢の中で白蘭が浜茄子になっているが、花言葉は「うつくしい悲しみ」、「旅の楽しみ」となっていた。浜茄子は一日花なので、短命な白蘭 を象徴していると思う。

7さん 泣けなかったが心をとても打たれた…
 白蘭の手紙からでも分かる優しさ、けなげさ。それと対照的な、売春や病院にも見てもらえないぐらいの生活。
 そんな生活でも「幸せ」と書ける白蘭は中国ではどんな生活を送っていたのか気になった。

8さん 皆さん「良かった」という感想の中…
 ぜんぜん泣けなかった。
 さとしに感情移入して読むと、高野の行動はおかしい。白蘭がかわいいからそんな行動を 取ったのか、と考えてしまった。始めてみた写真がおばちゃんならこうならないのではないか。
 美貌ありきの話だなぁ。

9さん いい話っちゃあ、いい話なんですが…
 主人公なにもしてないですよね?死体見て号泣しただけで、あとは舎弟にまかせっきりなのは、ちょっと社会人としてひどい?

 一通り皆さんのご意見を拝聴した上で、さらに雑談の中で深化を行います。

・さとしは「普通」の対応
・さとしは手紙を読んでいないので、 対応が普通になる
・出てくる人はみんな悪い人。白蘭も体を売って生活している。きれいな人は一人もいない話。手紙を光明と感じるか否か。
・「売春」してることは衝撃
・片町の近くに住んでいると諸外国の人々の人間模様がすごい。自分の住んでいるところだけが住処ではないと感じる。
・都会には冷たい人は少なかったように思う。背伸びをしている人が多いだけ。
・お金で買えないものに価値がある。白蘭に愛されてるという実感こそが高野の喜び。
・Amazonで課題図書を買ったらマンガ版だったが、これはこれで読み応えがあった
・その後の高野さんはどうなるのか?更正して田舎で生活してほしいが、白蘭の手紙で「高野の心の中に白蘭が住んでいる」ことで変わったことは確か。田舎の生活はお兄さん次第か?
・きれいな自分のままでいたい白蘭 - 高野のことを思って清いままでいたいと感じていた
・相手が見えない手紙は、ネット恋愛と似たもの?
・愛は与える側は感じない、もらう側が感じるもの。

 短編ながら色々な意見が出ました。みなさんの意見は尽きませんが、この辺で終了にしました。


20:30~
 会員のみなさんがそれぞれのオススメ本を紹介しあいました。
 今回のテーマは「夏に読みたくなる本」「夏を連想する本」を紹介していただこうとお持ちいただきました。

森見登美彦著 「夜行」
 夏と言えばホラー!
 10年前に失踪した知人。10年後再会した仲間達は、とある画家が描いた「夜行」 という絵画に出会ってそれぞれ不思議な体験を語る。
 夜行列車が必ずでてくる絵画。伏線が回収されたかどうか分からないまま、なんとなく終わっていく感覚は読み手で変わるかもしれない。

高野和明著 「ジェノサイド」
 夏と言えば大量虐殺!
 コンゴ、アメリカ、日本を舞台に、驚異の知能を有する新人類や創薬ソフトGIFTを巡って繰り広げられる一大スペクタクル。
 他会員も読んでおり、徹夜するぐらい次が気になる傑作とのこと。

室生犀星著 「密のあわれ」
 夏と言えば金魚!
 七〇歳の老作家「おじさま」と「赤子」が織りなす、直接的な表現はないけどエロい日常。老作家と「あたい」との生活を描く、ゆるいエロティシズムあふれる恋慕情。
 しかし、赤子には秘密がありました、そう、赤子は金魚だったのです。

宮木あや子著 「セレモニー黒真珠」
 夏と言えば葬式!
 小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に心温まる葬儀事情 。
 誕生日のプレゼントにもらった本だが、心に響いた。ぜひ、働く女性に読んで欲しい!

ここで時間となりました。参加した皆様お疲れさまでした。



 次回23回読書会は、2017年7月26日(水)午後7時から9時まで、よつばカフェで行います。

 課題図書は2冊。
・中島敦著「山月記」
・森見登美彦著「新釈走れメロス」収録の「山月記」

 新旧二つの「山月記」を読み比べてみたいと思います。

 そして、本をご紹介いただける方は、ぜひ秋に向け「読むとお腹が空く本」、「料理が印象的な本」をご紹介いただけますようお願いいたします。


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