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第十五回読書会レポート [感想文]



 第15回読書会が平成28年3月30日(水)午後7時から、まちよかCafeで行われました。今回も新規参加者が来場され、大いに盛り上がりました。
 課題図書は、三浦しをん著「舟を編む」。2012年本屋大賞を受賞、女性ファッション誌で連載されていた作品です。会の皆さんは、どのように感想を「編まれた」のでしょうか。

●読書会 19:15~

1さん
 おもしろかった。
 馬締さんと香具矢さんとの出会いに「にラノベのような展開か」と身構えたが、ふつうの恋愛小説のようにならなかったと感じる。
 「本好き」の人たちは「言葉」が好きだと、思う。言葉を扱う辞書の編纂というテーマは本好きの心をつかんだのではないか?
 特に、章立ての時系列が今までになかったような書き方で面白かった。

2さん
 読書会の課題図書でもなければ、この本は自分では選ばなかった。4時間ほどで集中して読んでしまい、途中号泣し家族に心配された。感情移入しす
ぎるぐらい面白かった。「言葉」に対して馬締さんに共感する所がある。
 辞書の編纂という、難しい話を簡単に書くことの困難さを書ききる筆力に圧倒された。

3さん
 岸辺さんに共感した。特に、畑違いの仕事に移された時の悲壮感はすごく共感できた。
 文庫版の表紙、イラストを描いている雲田はるこさんも好き。

4さん
 自分だけではきっと選ばなかった本だと思う。課題図書として初めて手に取った。
 「言葉」に対する重いの強さを感じた。辞書を作る行為を航海にたとえる、その意味を強く感じる。
 「ぬめり」感などの業界用語を知って、さらに辞書作りの奥深さを知った。

5さん
 「辞書になった男 ケンボー先生と山田先生」と比較した。言葉は記号なので、デジタルなものだと思う。
 用例採集カードに書くところの描写が印象に残った。言葉一つ一つにこだわりを持つことの意味がある。
 この本を読む時間が「愛おしい」と思った。

6さん
 登場人物の個性が豊かで丁寧に書かれている。西岡さんが好き。大学の先生とやりあうシーンが印象に残った。
 ページを繰る手が止まらないほど楽しく読めた。
 
7さん
 三浦しをんはもともと好きだった。
 地味な作業に光を当てる丁寧な描写は、綿密な取材があってこそ。
 新明解国語辞典第5版を買いました。


 皆さんの感想のあとに、感動したポイントなどを話ました。松本先生が亡くなるシーンで涙を流した方も。
 馬締さんと香具矢さんは寄り添っているがお互いが「独立」してる達人だ、という意見には賛成者多数でした。
 今回の名言賞は、『冒頭でビールもうまくつげなかった馬締さん。社会人として立派に成長した姿を最後の「お酌」にもってきた構成がすばらしい』に贈ります。


●ビブリオバトル 20:00~
 少し休憩をとり、二回目となるビブリオバトルを行いました。

先行:明智憲三郎著「本能寺の変431年目の真実」(文芸社文庫)
後攻:渋沢栄一著「現代語訳 論語と算盤」(ちくま新書)

 5分の発表と2分の質疑応答でより読みたいと感じた方を勝ちとする、このバトル。
 ノンフィクション対決となった今回は、先行の勝ちとなりました。
 渋沢翁はハードルが高かった?


 最後は恒例のおすすめ本です。

 ・宮下奈都著「田舎の紳士服店のモデルの妻」「太陽のパスタ、豆のスープ」

 ・森見登美彦著「四畳半神話大系」

 ちょうどここで時間となり、二時間の読書会お開きとなりました。参加された会員の皆様、お疲れさまでした。


 次回16回読書会は、平成28年5月25日19:00から、まちよかCafeで行う予定をしております。
 課題図書は、宮下奈都著「田舎の紳士服店のモデルの妻」。
 福井にゆかりのある女流作家で、先日著書「羊と鋼の森」が直木賞候補となったことでも知られる話題の方の作品です。
 どうぞ、お気軽にご参加ください。
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安住黒ラベル

TITLE: 趣味じゃないんですよ
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三浦しをんは本物ですからね。
趣味じゃないんだ、というエッセイがありますが、本当に趣味じゃないんですよ。本を読むことを止めると死んでしまう。本を読むことは呼吸と同じという。栄養を摂取することち一緒という。
そんな人の書いた本が楽しいというのは奇跡ですね。
ありがたいことです。
by 安住黒ラベル (2016-04-04 20:35) 

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